この建物は地震や災害から家族を守る免震構造を取り入れることで、壊れにくい住宅を提案し家族の心理的安心と末永く暮らすことのできる高耐久性を確保した新しい住宅表現を提案している。また、従来の基礎内に納められていた免震層を解放することで今までのように壊れまいとひたすらに剛性を確保してきた耐震構造とは違い、住まいを地面から切り離すことを具体化し、建物の「底」という新たな空間の有効活用をしている。
高床式住居にすることで免震層を流れるさわやかな気流は中央に空けられた中庭から上昇気流となり、居住空間に注がれる。つまり熱交換が効果的にでき、環境負荷低減を導入した住宅である。
中庭を取り囲むように前面にLDK、後方に寝室を配置し、収納及び浴室関係は木製ボックスに収めた。玄関アプローチは、住まいを地面から切り離した建物の「底」という新たな部分からアクセスし、免震層は駐車スペースとして納めている。そして開口部上部に設けられたアルミ可変ルーバーは四季を通して遮熱と遮光の調整を含め多様なシーンに対応することができる。