建設地は京都市内から西の方向にある松尾山の中腹の桂坂と言う場所に位置する。 敷地は東側に眺望が開けた陸の上にあり、敷地からは天王山、そして琵琶湖から大阪湾に流れる淀川の形体が姿を現し、その流域は男山や、生駒山から信貴山までも連続して見ることが出来る素晴らしい立地である。
クライアントは多様な仕事の持ち主である一方、一級建築士でも有る。
家族構成は御夫婦と、小学生の男の子の3人家族である。
この敷地は、東面に前面道路に面し、道路レベルから1.6mの高さに敷地のグランドレベルが有るために、1階の道路レベルには駐車場と玄関ホールを配置し収納庫と浴室関係は、地面に半分埋まった半地下の設定となる。
また、眺望の良い2階にはリビングダイニングキッチンを東側に配置し、主寝室は北側に配置している。
この住宅の特徴は、敷地のグランドレベルから上部の特殊な屋根の形体にある。
地盤に挿入される梁構はコンクリート素地仕上げの高剛性の構造体であり、2階部分は木構造のシャープな連続梁の組構造としたいわゆる昆構造である。
木構造の梁構の優しさと、コンクリートのシャープな素材の組み合わせはインテリアに大変重要な要素である。
この屋根面に装備したスチールプレートの外壁は日本古来のかぶとの様な形体を創造し、京都市の景観条例及び地区協定にそった形の根拠となっている。
そして、この建物を構成する色々な素材は、長く住み続ける家族と共に調質され、年を繰り返す事でより魅力を深める住宅である。